「うちのやり方があるから。察してよ」北の湖引退を示唆した元増位山の苦渋

公開日: 更新日:

「うちにはうちのやり方があるから……。察してよ」

 横綱の引退は理事長や後援者らへの報告が先なので、マスコミへの表明は翌朝が圧倒的に多く、三重ノ海のような例は少ない。三保ケ関親方の答えは、そうした事情との板挟みからか、つい誘導に乗ったのか。ともかく朝刊には「北の湖引退へ」の見出しが並んだ。

 2代目増位山は歌手としても多くのヒット曲がある。「察してよ」とは、演歌の曲名になりそうな「名言」だが、騒然とした緊迫感の中だからこそ生まれた一言だった。

 あれから39年。大相撲の取材現場は、時の流れとコロナ禍で様変わりした。いつか来る照ノ富士の「その日」はどんな光景になるのか。かつての大騒動を、それだけ大相撲が注目されて横綱の存在が大きかったからだと言ったら、取材する側の勝手な解釈だと思われるだろうか。

▽若林哲治(わかばやし・てつじ)1959年生まれ。時事通信社で主に大相撲を担当。2008年から時事ドットコムでコラム「土俵百景」を連載中。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 2

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  3. 3

    嶋基宏は一時期ノイローゼ状態になっていた...心ここにあらずで、魂が抜けた状態に

  4. 4

    伊藤健太郎とキンプリ永瀬廉で明暗クッキリ…「熱愛報道」出口夏希の足を引っ張りかねない“イメージ格差”

  5. 5

    なぜ「愛子天皇」ではダメなのか? 美智子さまが心情を吐露する出版物を準備中…と政界で話題

  1. 6

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  2. 7

    視聴率の取れない枠にハマった和久田麻由子アナの不運 与えられているのは「誰でもできる役割」のみ

  3. 8

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  4. 9

    居酒屋倒産が過去最多ペース 客離れの背景にある「飲み放題5000円」の壁

  5. 10

    巨人“育成の星”のアクシデントに阿部監督は顔面硬直、原辰徳氏は絶句…桑田真澄氏の懸念が現実に