「横綱になれば大きな鱗のワニ革のネクタイもできる」 元横綱初代若乃花が弟子に自慢した

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 関取衆から、若い時に兄弟子たちのいない稽古土俵で、こっそり横綱土俵入りをしてみたと聞いたことが何度かある。初場所で綱とりに挑んだ霧島も、横綱は入門した時からの目標だという。

 横綱になったらどんな世界が待っているのか。元横綱鶴竜の音羽山親方は「自分の時は上がれるなら上がりたいと思っただけで、横綱になったらどうなるなんて考えもしなかった」と振り返る。陸奥部屋で霧島を指導していた時も、そんな話はしたことがないそうだ。

 1983年春場所前、二子山部屋で師匠の「土俵の鬼」元横綱初代若乃花が、胸のネクタイをつまんで弟子たちに言った。

「いいかおまえたち、横綱になればこういうふうなネクタイもできるんだ」

 ワニ革だった。締めにくくないかと思うほどウロコの大きな部位が使われていた。稽古の後、当時大関の隆の里が話しかけてきた。

「見たか」「すごいですね」「あんなネクタイしたいか」

 稽古に活を入れるために言ったと分かっていても、ネクタイのインパクトが強くて軽口が出たのだろう。プロ野球界ではアメリカ車に乗り、銀座のクラブで豪遊することが一流の証しとされる時代でもあった。

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