著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

米国の謝罪文化は「謝らないと次に進まない日本」とは違う 大谷翔平の会見でも浮き彫りに

公開日: 更新日:

 この法律は、医師や病院と患者もしくは家族が互いに率直な意思の疎通を行うことが問題のよりよい解決につながるという考えに基づいている。1986年にマサチューセッツ州が初めて制定して以来、現在米国内の38州で同様の法律が制定されている。

 会話を中断させたり中座したり、あるいは体が軽く触れるなどの軽微なマナー違反があった場合、家族間や友人同士では「sorry」や「excuse me」といった表現を頻繁に利用するのも米国である。

 これは関係する者同士の間柄の近さが影響しており、謝罪そのものを目的とするのではなく、日常生活を円滑に行うための手段として用いられる、礼儀作法の一種としての謝罪表現となっている。

 死球を与えた時に帽子を脱いだりつばに手をかけたりすることは、日本の球界では謝罪と考えられるのに対し、米国では謝罪ではなく故意に当てた証拠と見なされる。暗黙の了解事項ながら、ひとつの行為が日米で反対の意味を持っている。

「とにかく謝らなければ次に進まない日本」と「目的によって謝罪の有無が異なる米国」という対比は、いずれかが良いというものではなく、それぞれの社会における謝罪の持つ機能の違いを示している。

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