著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

ドジャースは社会貢献でも他球団を圧倒 LAの発展に6000万ドル超も投資してきた

公開日: 更新日:

 例えば1995年に当時の所有者であったピーター・オマリーが創設した、球団の外郭団体であるドジャース財団がある。

 2012年にマーク・ウォルターの率いる投資家集団がドジャースの経営権を取得すると、ロサンゼルス・ドジャース財団(LADF)は貧困対策や教育支援、都市再開発への支援など、ロサンゼルスそのものの発展に向けて各種の計画の実施や補助金のために6000万ドル以上を投資している。

 その主たる原資は毎年LADFが開催し、個人だけでなくコカ・コーラやバンク・オブ・アメリカ、アンハイザー・ブッシュなど米国を代表する企業も協賛する慈善パーティーであるブルーダイヤモンド・ガラでの収入である。

 一晩の催事で昨年は220万ドル、今年は360万ドルの寄付を集めており、LADFの集金力は大リーグの他球団が持つ関連団体をしのぐ。

 これもドジャースが1958年の移転以来、ロサンゼルスの人々に受け入れられようと努力した成果である。

 当分の間、他球団は日本企業との契約だけでなく、社会貢献の規模の点でもドジャースの後塵を拝することになるのである。

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