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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

「記者の目はテレビカメラ9台分に匹敵」厳しかったある野球記者の思い出

公開日: 更新日:

 大リーグにピッチクロックが導入されたのは試合時間短縮が目的だった。ピュリツァー賞を受賞した野球記者、レッド・スミスはこう言ったそうだ。

「野球がスローで退屈だと思う人、それはその人が退屈な心の持ち主に過ぎないからだ」

「野球は言葉のスポーツ-アメリカ人と野球」(中公新書)の後書きで紹介された言葉で、パンチョこと伊東一雄さんと馬立勝さんの共著は、いかにも大リーグ通らしい知見にあふれている。その馬立さんが3月に亡くなったと聞き、驚いた。

 馬立さんは報知新聞の野球記者として長く巨人番を務め、並行して大リーグの記事も担当した。膨大な、それも幅広い読書量で、アメリカのベストセラーをリアルタイムに読んでいた。私がニューヨークから持ち帰ったマーク・カーランスキーの「COD(鱈)」を見ると、それ面白いと、既に読んでいた。

 歯に衣を着せずズバズバとした物言いをし、原稿はサラサラ書いた。巨人時代にナイターが長引けば、馬立さんの出番だった。修辞を嫌い、早書きで知られ、それには一言あった。

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