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鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

NCAAの新方針「大学生選手への給与支払い」はなぜ、大リーグにとってマイナスなのか

公開日: 更新日:

 米国の大学スポーツの統括団体である全米大学体育協会(NCAA)やサウスイースタン・カンファレンスなど有力なカンファレンスは、大学が学生選手に給与を支払うことを認める方針を示した。

 従来、NCAAは学生の本分を勉学とし、勉学と競技の両立が原則であり、競技を優先して勉学をおろそかにすることは認められないとしてきた。

 公式戦への出場や奨学金の受給資格と成績を結び付けたり、教育に関係ない金銭の受領も禁じ、選手の肖像権の商業利用などは認めなかったりしたことは、NCAAの方針を象徴する。

 そのため、卒業後にプロとならない選手は氏名、画像、肖像などのパブリシティー権の利用による報酬を受ける機会を失ってきた。

 ただ、NCAAは選手たちの活躍によって利益を上げている。そのため、選手が自らの活躍への金銭的な対価を得られないことは、NCAAによる搾取との批判も根強かった。

 NCAAなどによる今回の対応は、学生からの提訴や各州での法整備が進んだことを受けたものであり、路線の転換を意味する。

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