著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

ポストシーズンの分配金が示す光と陰…一般職員の年収は約5万ドルで平均未満、“やりがい搾取”の一面も

公開日: 更新日:

 ドジャースの選手たちは、ポストシーズンに出場した選手のほか、監督やコーチに加え、球団の職員たちも分配の対象とすることを選んだ。これは、背後で支える職員がいなければ選手たちが心置きなく試合に集中することができないという考えによる。

 実際、球場では用具を整備したり、練習後や試合後の選手のユニホームを回収して洗濯したり、さらには報道陣のために必要な資料を手配したり、遠征時の航空機の手配を行ったりと、多くの職員が働いている。

 しかも、ゼネラルマネジャーや各部門の長を除けば、一般の職員の年収は約5万ドルで、2023年に米国労働統計局が発表した平均額の約5.9万ドルを下回る。ドジャースという米国のプロスポーツ界の名門という存在は輝かしく、選手年俸の総額は球界屈指ではあっても、職員一人一人の給与は本拠地であるカリフォルニア州の平均年収8万4448ドルと比べれば低い。

 もちろん、収入と仕事の充実度は異なるし、ある者にとっては不満足な給与も他人から見れば十分な額かも知れない。

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