ソフトB育成1位古川遼が異例の入団辞退、その舞台裏と波紋…高校生の「育成拒否」が続出するか

公開日: 更新日:

 ソフトバンクから今秋育成ドラフト1位指名された古川遼(日本学園高)が入団辞退したことが騒ぎになっている。

 ホークスでの入団辞退は、ダイエー時代の1991年4位の三井浩二(足寄高)以来、33年ぶり。ソフトバンクに親会社が移ってからは初めてという。過去10年のドラフトを見ても、入団辞退、拒否は3人しかいない。

 ソフトバンクの永井本部長によれば、11月16日に古川から入団辞退の申し入れがあったそうで、「我々が聞く話の中では、4年間大学で鍛えて上位指名でいける選手になりたいという方が強かったのかな。残念ではありますけど、本人の意思がそういうことであれば仕方ない」と、入団辞退を受け入れる方針を示した。

 そんな中、古川は日本学園が入団辞退を発表した3日の夜、自身のXに「ソフトバンクホークスについて」とのタイトルで入団辞退に至った経緯を報告している。

「まず最初に、ソフトバンクホークスさんの担当のスカウトやチーフスカウト、その他のスカウトさん、コーチ、スタッフ、ここまでご迷惑かけてしまい申し訳ありませんでした」と謝罪した上で、入団辞退した理由については、「1個目はやはり悔しかったということです」と記した。

「古川は、小3から大雲寺スターズで野球を始め、中学時代は江戸川東シニアでプレー。本人がXで同期で活躍している選手として名前を挙げた宇野真仁朗(早実=ソフトバンク4位)は千葉の市川リトルシニア、森山竜之輔(健大高崎)は江戸川中央シニアに在籍し、身近な存在として切磋琢磨してきた。宇野が早実、森山が健大高崎と強豪校に進学した一方、古川は希望していた早実や日大付属校に入ることができず、必ずしも強豪校とは言えない東京・世田谷区にある日本学園に進学した。

同校は専用グラウンドがなく、宇野や森山と比べて練習環境に乏しい中、最速144キロを誇り、190㌢の長身もあって"ダルビッシュ2世"との呼び声が上がるなど、プロも注目する選手に成長を遂げた。当初は育成指名でもプロ入りする意思があり、ドラフト直後にスカウトが高校を尋ねて行われた指名挨拶でも、入団に前向きだった。が、指名後に周囲から『育成契約で入るなら、大学に進学して4年間実績を積んでからでも遅くない』『大卒で上位指名を狙った方がいい』などの声が出るなど、徐々にプロ入りへの意思が揺らいでいったと聞いています」(アマ球界関係者)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  5. 5

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  1. 6

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  2. 7

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  3. 8

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 9

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  5. 10

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較