工藤公康さんは「バカにされてもいいから」と、自腹を割いて常に“時の最先端”を研究していた
工藤さんが現役時代、筑波大のトレーニングになぜか僕も参加させられたこともあります。足をゆっくり動かしてインナーマッスルを鍛えるもの。戸惑う僕に、工藤さんはこう言いました。
「もしかしたら、これは5、6年後には球界で主流になってるかもよ? 逆に『なんであんなトレーニングをしてたの?』って言われるかもしれない。でも、これは筑波大の最先端の研究。俺はバカにされてもいいから、とにかくその時の最先端を学びたいんだ」
それでも自分本位ではなく、周囲を見て、僕ら裏方への贈り物なども欠かしたことはありません。それも会社には請求せず、全部自腹だったんです。
次回はエースといえばこの人、ホークスの四軍監督を務める斉藤和巳の項になります。
▼たじり・いちろう 1967年、福岡県出身。86年ドラフト外で南海ホークスに入団。88年に引退し、98年まで打撃投手。その後は、一軍と二軍のマネジャー、広報などを歴任した。2023年オフに退団。一軍出場なし。
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(火・水・木曜公開)