ツアーで死人が出る前に「酷暑対策」を講じるべきだ…アマチュアで死亡事案発生、一刻の猶予もない
23年兵庫県での楽天スーパーレディスでは上田桃子が3日目を前に熱中症で途中棄権。同年の日本女子プロ選手権(長崎県)では稲見萌寧のキャディーが熱中症とみられる症状でダウン。同大会では優勝候補の山下美夢有のエースキャディーが熱中症で救急搬送されたが、山下自身もその3週前の大会で、最終日のスタート前に体調不良で棄権したが、後に熱中症と判明した。
男子も深刻だ。23年8月に静岡県の裾野CCでのシニアツアー、ファンケルクラシックで50歳でシニア入りした片山晋呉は最終日残り5ホール目ぐらいから熱中症の症状に見舞われ、本人は「指の感覚がなくなり、スコアカードの字も書けなくなった」とのことで74も叩き、優勝争いから10位にまで後退している。この時は帯同キャディーも熱中症にかかるなど散々だった。これがきっかけなのか、同大会は24年から、開催時期を10月に移動している。
今や日本の夏は命に関わる災害級の暑さだ。最近はスタート時間を早めたり、ミストシャワーの簡易テントを設置する大会もあるが焼け石に水。危険を回避するには、7、8月はトーナメントを開催しないという極論もある。死者が出たり、熱中症の後遺症に苦しむ者が出てからでは遅い。もはや一刻の猶予もない。選手たちが声を上げるなり、女子プロ協会や男子のツアー機構が率先して議論するべきである。