落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終
落合さんの話し相手はもっぱら球団の専属広報。部屋で毎晩のようにブランデーを飲み、2人の晩酌が終わって落合さんが寝るまで部屋に戻れなかった。主な避難先は同級生の部屋。午後10時くらいになって部屋の明かりが消えたのを確認するとドアをそっと開け、自分の布団に入る。寝るときですら緊張していた。1カ月間、これが続くのかと思うと憂鬱で仕方なかった。落合さんとはキャンプが終わって以降、話すことはなかった。
2001年オフに中日からFA宣言をしたとき、実は当初、横浜ベイスターズ(現DeNA)に移籍することが内定していた。そんな折、新幹線に乗っていると、携帯に非通知の電話がかかってきた。誰や? といぶかしく思いながら着信ボタンを押すと、なんと声の主は落合さんだった。
「おまえ、横浜に来るのか?」
新人の頃はむげに扱われたうえ、ロクに話したこともなかった。いくら大先輩とはいえ、なぜそんな大事なことを明かさなきゃいけないのか。
「落合さんには関係ないんじゃないですか」