漫画『おおきく振りかぶって』の作者ひぐちアサさんが高校野球愛を激白!「原点は88年の『さわやか旋風』」
部活の範疇を超える近頃の高校野球
──当時、佐々木朗希を取り巻く状況を見てどう感じましたか。
「あの決勝戦は、佐々木が投げていれば勝てたという試合ではなかったですよね。ただ、高校野球は部活なので、一緒にやってきた3年生たちのことを考えると、おそらくあのチームでの最後の試合、少ない回数でいいから、投げさせてあげても良かったんじゃないかと個人的には思います。でも国保監督は、この世で一番、あの日佐々木選手を登板させるかどうかを考えた人なので、その決断に対してああだこうだいう気は全くないです」
──最近の高校野球は部活の範疇を超えている。
「私立高校は当然選手を集めますし、野球で入学できるならと私立に行きたがる生徒もいるので、少子化の昨今では公立高校の新入生に野球経験者がほとんどいないということも珍しくなくなりました。野球で入学した子の高校生活は野球第一になるので、はた目からは部活の範疇を超えているように見えることもあります。そういうことはどのスポーツでも起こることなんですが、野球は最低9人いないとチームになれないので、私立高校が選手を集めすぎないような決まりができない限り、公立高校には野球部がないという時代が来てしまうんじゃないかと思っています」