バントのレベルが落ちているからこそ「バント守備」がより大事になる
無死一塁の守備。絶対に送られたくない場面で、一、三塁手が猛烈にチャージをかけるものがある。ただ、一度見せると、バントからバスターにサインが変更されるかもしれない。このシフトを敷けるのは1度だけ。2度目は確信がある時に限る。最近はリスクが大きいスリーバントを避ける傾向がある。1球か2球のシフトでバントをさせた上で二塁封殺を狙う。
まずは一塁走者のリードを小さくしておく必要がある。「ゴーバック・牽制」が有効だ。
一塁手がバントシフトと見せかけ、3、4歩前に出てから素早く一塁ベースに戻り、投手は牽制。また、「ゴーバック・ホーム」は、一塁手は同じ動きだが、投手は本塁へ投球する。いずれも、バントシフトを突かれて盗塁されないようにするためだ。
投手だけで対処する「一人バントシフト」もある。オーソドックスなのは、投手が右打者の外角へ投球。一直線に一塁側へ下りるもの。三塁手は三塁線からマウンドを下りた辺りまでをカバー。バントのコースも投手がコントロールするのだ。
いつも同じではなく、バントの「振り遅れ」を利用する手もある。クイックで右打者の内角高めへ投げると、構え遅れたバントは一塁方面へ転がる。この時も投手は投げた瞬間、一塁側へ走る。夏の大会直前は、こういった練習に多くの時間を割くことになる。