期待の新人・落合博満が突然「大学を辞めたい」…兄と姉を呼び、3人がかりの説得は深夜に及んだ(下)

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「もう少し、頑張ってみないか?」

 こう言って翻意させようとしたものの、落合はガンとしてクビを縦に振らなかった。

 兄姉は「迷惑をかけてすみません」と、すっかり恐縮している。落合のかたくなな態度に、わたしは観念した。

「そうか……わかった。それじゃ、頑張れ!」と快く送り出した。

 落合はどちらかといえば、ひとりで黙々と練習するタイプ。仲間と一緒に走ったり、トレーニングしたりは得意ではなかった。団体練習や集団行動があまり好きではなかったのかもしれない。

 とはいえ、上級生のイジメや暴力は断じてなかったし、本人も最後までそんなことは言わなかった。

 1年生の9月に学校を退学。その後、秋田でブラブラしていたと風の便りに聞いた。ボウリングのアベレージが200を超えたのもこのころらしい。その気になればプロにもなれたのに、「飽きた」とやめてしまったそうだ。

 それから2、3年後の2月、リーグ戦前のオープン戦の最中だった。

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