ソフトBの佐々木麟太郎「一本釣り」加速!“ムダ打ちリスク”を度外視ですでに密着マーク中
「小久保裕紀監督(53)の発言力が強くなるでしょうね」
コーチ経験のあるホークスOBがこう言った。
去る27日、ソフトバンクは小久保監督が球団史上初となる就任1年目からの連覇達成。春先は柳田、近藤、今宮、周東ら主力に故障者が相次いだ。昨季、本塁打、打点の2冠を獲得した山川が不振に陥り、5月1日には借金7で単独最下位に低迷。苦戦が続く中、小久保監督は実績にとらわれない選手起用を断行した。
柳町、野村ら20代の中堅、若手を一軍に抜擢するなど、チームの戦力を総動員。自らの発案で長谷川スキルコーチ、伴メンタルパフォーマンスコーチをベンチ入りさせ、一軍経験が少ない選手をサポートした。前半戦終了時に首位だった日本ハムとの熾烈なデッドヒートを制し、「誰ひとり欠けても連覇はなかった」と胸を張った。
優勝から一夜明けた28日の西武戦は1番の野村から9番の庄子まで「オール生え抜き打線」で臨み、2019年ドラフト1位の佐藤直が1本塁打を含む4安打を放つなどして快勝。そんな指揮官の評価は、球団、親会社内でうなぎ上りだ。王会長が「年々しっかりしてきて、大きな監督になった」と称賛すれば、孫正義オーナーも、「頼もしい限り」と目を細めている。
前出のホークスOBが続ける。
「二軍監督を経験した小久保監督は四軍まで擁する自前の選手にチャンスを与え、選手間の競争によるチーム強化、活性化を図りたい。一方、球団は近年、生え抜き選手の育成が滞っていたこともあり、持ち前の資金力で近藤、山川、有原、上沢ら外様選手に加え、オスナ、モイネロら外国人選手と高額契約を結んだ。
この金満補強が連覇を支えた面はあるにせよ、チーム構成としては、外様と生え抜きのバランスがいびつになり、小久保監督がやりたい選手起用の足かせになっていたのも確か。一昨年は80億円規模の大補強を行いながらV逸。昨年は独走優勝を果たしながらも、日本一を逃した。地元のホークスファンは生え抜きの成長物語を望んでいたこともあってか、前半戦は主催試合の1試合平均の観客動員数(44試合)が前年比でマイナス0.6%にとどまった」