あれっ、俺のバットが…減量成功で体のキレが増してもイマイチ調子が上がらなかったワケ
                        「あれっ、俺のバット、ワングリップ分なげえな……」
 改めて見比べてみると、やっぱり長い。そこで自分のバットを作ってもらっている用具屋さんを呼んで「これ、長くない?」と聞くと、「長いですね……」。なんと注文していたサイズよりも1インチ(2.54センチ)も長かった。もともと頼んでいたのは34インチ。使っていたのは35インチだった。
 バットにそこまでこだわりがなかったとはいえ、1インチの違いはまったく違うバット。どうりで詰まるわけだ。用具屋さんは「作り直す」と言ったけど、半月も長いバットで練習してきた。せっかくだから、いっそのことこの長さに慣れようと思った。
 本来のバットよりも2センチ以上も長いから、アウトコースもボール2つ分ぐらいまで届く。デメリットはインコースが詰まるところ。でも、外のボールが拾えることでカバーできた。
 結局、35インチという長いバットを使ったのは後にも先にもこのシーズンだけ。翌97年には34.75インチにした。
 本塁打王という看板を背負うことになって、相手は「どんどんインコースを攻めなければ抑えられない」という配球になる。そうすると、インコースがうまくさばけず、長いバットは扱いづらかった。
 タイトルを取って相手に認められ、攻め方も変化していった。それに対応するために、また少しずつバットを短くしていくことになる。                    

 
                             
                                     
                                        


















 
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
         
         
         
         
         
         
         
         
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                