西武・今井達也の制球難まで“武器”にしそうな敏腕代理人の手練手管…顧客には菊池雄星、吉田正尚ら
選手の実力以上の大きな契約をまとめることで定評
昨オフはソト(27=メッツ)に15年総額約1047億円というプロスポーツ史上最高額をもたらしたスゴ腕。日本人選手では菊池雄星(34=エンゼルス)や吉田正尚(32=レッドソックス)の代理人を務め、選手の実力以上の大きな契約をまとめることで定評がある。
今年のFA市場に出た顧客で代表的な選手がブレグマン三塁手(31=レッドソックスからFA)だ。
メジャー通算209本塁打のスラッガーで、昨年は三塁手としてゴールドグラブ賞を獲得したように守備もいい。今季は114試合に出場して打率.273、18本塁打、62打点だった。レッドソックスとは今年から3年契約を結びながら、再来年までの2年約123億円を破棄して、FA市場に出た。それもこれもボラス氏がこれまで以上の契約を見込めるとソロバンをはじいているからだ。
「昨年までアストロズ一筋で、黄金時代を築いた功労者のひとり。30歳だった昨オフはボラス氏と総額2億ドル(約300億円)規模の大型契約を目指してキャンプ直前の2月中旬まで粘ったものの実現せず、レッドソックスと3年契約を結んだ。今年が最後の売り時と判断して、再び長期の大型契約を狙っています」とは前出の米メディア関係者だ。
ボラス氏の顧客の菊池も、21年オフ、マリナーズとの1年約15億円のオプションを破棄してFAになった。
それまでの3年間は15勝24敗、2年間は防御率5点台と散々。だれもが残留するとみていたものの、FA市場に出て3年約42億円、年平均14億円でブルージェイズ入り。マリナーズとの契約は残り1年だが、それまでとほとんど変わらない金額の3年契約を引き出したのはボラス氏の手腕だった。
そのボラス氏は今井に関してこう言っている。
「素晴らしい才能の持ち主だ。メジャーではスプリットを投げる投手が故障しているけれども、今井は日本で速球、スライダー、チェンジアップだけで、スプリットを投げる投手と同じくらい成功している。彼は丈夫だ」
百戦錬磨でヤリ手代理人のボラス氏にかかれば、今井の制球難もメリットになるかもしれない。
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ところで来季Aクラス浮上を狙う西武にとって今井は欠かせない戦力であるはずなのに、なぜ米挑戦を許したのか。チーム周辺からは「損得勘定でも売り時だった」という声のみならず、「厄介払いの側面があった」というまさかの証言が飛び出した。いったいどういうことか。
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