著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

ベネズエラ問題で「TACO」に期待する以外にないメジャー球界の苦境

公開日: 更新日:

 さらに喫緊の課題としては今年3月に開催されるWBCへの参加問題がある。

 現在、ベネズエラはマイアミでの1次ラウンドへの参加が決まっているとはいえ、ベネズエラ国籍の選手の米国への渡航や査証の発行に制限が出かねない。

 もちろん、多くの人に知られた著名な選手と握手する様子をSNSに投稿し、自らの存在感をさらに高めようとするトランプの性格を考慮すれば、アルトゥーベやアクーニャ・ジュニアがWBCへの参加を表明する場合、問題なくローンデポ・パークで行われる1次ラウンドに出場できるだろう。

 あるいは、マドゥロを米国に連れ去ったことでベネズエラの国情が安定していると国内外に強調するために、ベネズエラのWBCへの参加に何らの制限を設けないことも予想される。

 一方、今後マイナー契約の選手が新規にビザの発行を申請する場合、審査の厳格化などを理由に書類の追加の提出が求められたり、審査の期間そのものが長引かされたりすることで、実質的にビザの発行が先延ばしにされることもあり得る。

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