懇意の先輩・山本昌さんは努力の天才 他人の評価に我関せず「自分は自分のことをやればいい」
83年のドラフト5位で入団した昌さんは3年目のシーズン終盤、消化試合に登板して一軍デビューを果たしたが、すぐにバリバリ活躍、とはいかなかった。88年2月には若手の野球留学先だった米国のベロビーチに居残り。ルーキーのときから武者修行させられた俺のように、冷や飯を食わされてきた「仲間」だった。
昌さんは同じ左腕の今中慎二とよく比較されていた。88年ドラフト1位の今中は、1年目から10試合に登板(うち先発は7試合)して初勝利もマーク。2年目の90年には19試合に先発して10勝(6敗)した。
一方、昌さんは89年に26試合に先発して9勝9敗。90年には24試合に先発して今中と同じく10勝(7敗)を挙げている。先発の二枚看板として活躍していた2人は、成績こそ同等だが、周囲は今中ばかり「すごい」ともてはやしていた。
感性で投げる天才型の今中に対し、コツコツと技術を磨く努力型の昌さん。今中ばかりがチヤホヤされる状況だったけど、昌さんは「別に関係ない。自分は自分のことをやればいいから」と我関せず。
そのスタイルを貫き通し、最終的に今中の倍以上も勝ち星を積み重ねた(山本昌は通算219勝165敗、今中は通算91勝69敗)。
関心のあることは一心不乱に取り組む。そんな姿勢は野球以外のことでもブレなかった。



















