「俺、二日酔いやからエラーするぞ」 毎晩遊び回りながらも無類の勝負強さを誇った秘訣
宮本が言うように、四番長池の後の五番打者として得点圏のチャンスに頼りになるクラッチヒッター。引っ張り専門の長池と違い、右方向へも打てるのが森本の強みだった。
「でもね、右へのホームランは現役時代1本だけなんだよ。誰だったか忘れたけど、右投手から西宮球場のポール際に打った。あの感覚は覚えている。打った後に長池に『モリさん、今までなかったことだね。どうやって打ったの?』と言われたけど、研究心がなかったのかなあ。偶然の一発で終わってしまった」
長池の不調や故障の際には、四番を打つこともあった。本人は別に打順にはこだわりはなく、「四番目の打者という気持ちで打席に立っていた」と言うが、期待に応えて結果を出し、淡々としたペースで数字を積み上げるタイプだった。当時の主砲・長池とは対照的に、ムラッ気がありながら森本の勝負強さは尋常ではなかった。その秘訣とは何だったのだろうか。
「塁上に走者がいるときはモチベーションが上がった。負けず嫌いな性格だから、としか言いようがない」
(中村素至/ノンフィクションライター)



















