キャディー1年目、「ジャンボ尾崎さんの右腕」から頂いた金言
緊張のラウンドはティーショットを左右に曲げて、クラブを数本持って走り回っていた記憶しかありませんが、15番くらいだったでしょうか。
「そうだ。せっかくベテランの佐野木さんが目の前にいるのだから、キャディーにとって一番大切なことは何か、聞いてみよう」
そう思ったものの、ボールはあちこち散らばるし、グリーン上で聞くわけにもいきません。ついに18番まできてしまいました。最後にティーショットを打った僕のボールは運よくフェアウエーをキープ。前を歩く佐野木さんに近づき尋ねました。
「あの、お聞きしたいことがあるのですが」
「何だ?」
「今年からプロキャディーになったのですが、一番大事なことは何ですか」
「それは常に選手を敬うことだな」
佐野木さんは間髪を入れずにこう言ったのです。僕はスコアカードの裏にその言葉をすぐにメモしました。未経験の僕を専属キャディーにしてくれた藤田さんは大ファンだった選手です。人間としても尊敬していましたから、常に佐野木さんの言葉を胸に初心を忘れずにバッグを担いでいました。


















