佐々木朗希がゴリ押したメジャー挑戦の背景に旧フロント幹部との「口約束」か

公開日: 更新日:

2024年11月の記事①を再掲載

 佐々木朗希が不甲斐ない投球を見せるたび、SNS上では辛辣な声が吹き荒れる。高卒3年目に1試合19奪三振の日本記録、史上最年少の20歳5か月で完全試合を達成するなど投手として圧倒的なポテンシャルを持ちながら、なぜここまで叩かれるようになったのか。

 その背景には、ファンから「ゴネ得」とも揶揄された米挑戦騒動がある。23年オフに大きな物議を醸した古巣ロッテとの泥沼交渉劇、24年シーズンの不完全燃焼、そしてタンパリング疑惑まで取り沙汰されたドジャース入り──。日本球界最後の1年に何があったのか。当時の記事で振り返る。年齢、肩書は当時のまま。

  ◇  ◇  ◇

「入団時にメジャー移籍を容認する約束があったのか」

 9日、ロッテが佐々木朗希(23)のポスティングによるメジャー挑戦を容認、移籍に向けた手続きを始めることを発表した際、松本球団本部長にはこんな質問が飛んだ。

 同本部長は言下に否定したものの、実際はどうだったのか。

「入団時にメジャー挑戦を前提としたサイドレターはなかったと聞いています」と、ロッテOBがこう続ける。

「ただ、メジャー挑戦に関しては、かつてのフロント幹部が口約束でOKしていたといいます。特にモメにモメたのは昨年ですよ。本人はどうしても昨オフ、海を渡りたかったようで、球団サイドが、せめて、あと1年待てないのかと言っても聞く耳を持たなかったらしい。なんでも佐々木は浪人を覚悟するくらい強硬だったようで、球団サイドは後釜として大物外国人の調査までしたといいますから」

 佐々木の契約更改がキャンプイン直前、年明けの1月26日にズレ込んだのは、それなりの理由があったようなのだ。

 ともあれ、メジャー挑戦が正式決定したいま、懸念されるのは「体の弱さ」ではないか。

 今年でプロ5年目ながら、規定投球回数に達したことは一度もない。22年に20試合、計129回3分の1投げたのが最多だ。今季も右腕の違和感で2度、戦列を離れた。日米両メディアも「最大の不安材料は体」と報じている。

 1週間に1回、中6日の先発でも悲鳴を上げていた投手が、中4、5日が当たり前のメジャーで働けるのか。

 中でも高校時代から佐々木をマーク、プロ入り以降も度々、タンパリング疑惑を指摘されるほど入れ上げているドジャースは、どう使うつもりなのか。

 ドジャースのロバーツ監督は、トーク番組に出演した際、司会を務めたベッツ(32)に「サンタクロースにお願いしたいものは」と聞かれ、こう答えている。

「ブルペンで投げた男を連れ戻したい。それと重要な局面で投げられるFAの救援投手をもうひとり。先発も欲しい。それとポストシーズンでビッグホームランを打った選手を連れてきたい」

 つまりFAになった今季33本塁打、99打点の外野手、テオスカー・ヘルナンデス(32)と、7勝3敗1セーブ、防御率1.93のリリーフ右腕、トライネン(36)と再契約した上で、計算の立つFAのリリーフ投手と、先発も欲しいということだ。

「これはドジャースのオフの補強プランそのものですよ。トライネン以外に計算できるリリーフも加えたいのは、今年以上にブルペンを強化したいということでしょう」と、米紙コラムニストのビリー・デービス氏がこう言う。

「ドジャースは投手に原則、21人以上の打者と対戦させない方針なのです。つまり先発は5回くらいを抑えればOK。あとはリリーフ陣を次々に投入して、目先を変えるのが有効と考えている。実際、今回のプレーオフはブルペンデーを多用、ワールドシリーズでは先発3本柱のいるヤンキースに圧勝しましたからね。データ重視で戦略を練るフロントが、今年以上にブルペンを強化するのが勝利への近道とソロバンをはじいたのでしょう」

 先発は「5回程度で十分」と考えているのであれば、体力や耐久性に乏しい佐々木獲得に目の色を変える理由も理解できる。日本のプロ野球のように先発だからといって、100球をメドに投げる必要はない。初回から飛ばせるだけ飛ばして、あとはリリーフに任せれば良いのだから、佐々木も十分、戦力になると判断しているのだろう。

 ドジャースの先発はただでさえ、故障持ちが多い。

 来季から投手として復帰する大谷翔平(30)は昨年の右肘手術に加え、今オフは左肩を手術。山本由伸(26)は今季、右肩腱板損傷で6月中旬から2カ月強、戦列を離れた。エース格のグラスノー(31)は21年にトミー・ジョン手術を受けているし、今季は右肘を痛めて8月上旬に離脱。最近になって右肘手術を受けたことを明かしている。

 いま以上にブルペンを強化、先発の負担を軽減するもくろみだけに、ひ弱な佐々木でもしゃかりきになって追い掛けるわけだ。

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