熊本地震「イオンモール爆発」すぐそばの薬局で何が起きた? 停電で電子カルテ停止、命をつないだ“お薬手帳”
熊本地震で見えた「薬の情報」の断絶──爆心地そばの薬局が語る、災害とお薬手帳のリアル
2026年7月28日午後4時27分、最大震度7を観測した令和8年熊本地震。県内のショッピングモール「イオンモール熊本」(熊本県上益城郡嘉島町)では、地震発生から約1時間20分後の午後5時50分ごろに爆発が発生し、多数の死傷者を出す惨事となった。
その爆心地のすぐそばで薬局を営んでいたのが、共生薬局嘉島店(運営:アルファルマ株式会社)だ。停電によって電子カルテが使えなくなり、患者が何を飲んでいるかという「情報」そのものが失われる──。災害医療特有の危機に直面したという、同社代表取締役の佐藤拓司氏に緊急取材した。
■爆発の瞬間、業務は止まらなかった
地震発生時、佐藤氏は店舗にいなかったが、後にスタッフから当時の様子を聞いたという。
「揺れを伴わない爆発音だったので、『どこかで何かが破裂したのだろうか』という程度の受け止めだったそうです。まさかイオンモールが爆発したとは思いも寄りませんので、そのまま通常どおり業務を続けていたようです」
■電気が止まれば、“何もできない”
佐藤氏が最も深刻だったと語るのが、停電による電子カルテの機能停止だ。
「電気も水道も止まってしまいました。電気が止まると、電子カルテやレセプトコンピューターが動かなくなり、処方箋は紙で届いても、結局それを入力しなければ機能しません。コンピューターが立ち上がらない限り、患者様が普段どのような薬を服用されているか、カルテそのものが確認できなくなるのです」
10年ほど前まで主流だった紙の薬歴であれば、名前を聞くだけで記録を探し出せたが、電子化が進んだことで、逆に災害時には情報を引き出せなくなってしまったという。
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