著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

サラリーキャップ導入を左右しかねないド軍オーナー「ウォルター問題」

公開日: 更新日:

 ファンたちが制度の導入に前向きな姿勢を示すだけでなく、経営者側がロックアウトを行ったとしてもファン活動に影響を受けないという回答が3分の1を占めている。

 それとともに、「The Athletic」の調査は「大市場と小市場の球団間の年俸格差の原因は何か」という質問も行っており、「経営者」(57%)、選手(2%)、「両方」(36%)、「どちらでもない」(5%)、「どちらともいえない」(1%)という結果になった(有効回答数1万4129件)。

 一連の回答結果は、高額の年俸を要求する選手にも責任の一端はあるものの、問題の原因は市場規模の大きさを背景に選手を集める一部の球団経営者にあるというファンの意識が見える。そして、こうしたファンの視線の先にドジャースのオーナーであるマーク・ウォルターがいることは容易に想像できる。

 しかし、ウォルターが運営するTWGグローバルのグループ内での投融資が米司法省と米証券取引委員会の捜査と調査を受けていることは、こうした構図を変えかねない。現時点でウォルター側に違法性はないとはいえ、積極的に高額の年俸で有力選手と契約する姿勢が控えられると、球団間の年俸総額の格差が縮小し得るからだ。

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