「殺さずに済ませたい」大石圭著

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<人形しか愛せない天才作家>

 涼は、街角のショーウインドーで見かけたビスクドール(磁器製人形)に「私たちが生まれる手伝いをしなさい」と啓示を受け、医学生から人形作家に転身。今や、注文が50年先まで埋まっているという人気作家だ。しかし、涼には連続殺人犯というもうひとつの顔があった。人形にしか欲情しない涼は、5年前に自分が作った人形そっくりの娼婦を殺害して屍姦。そのときの快感が忘れられず、犯行を繰り返してきた。被害者はみな彼が作った人形そっくりの美人だった。その衝動を抑え込もうと、今までモデルを使わなかった涼だが、今回はある女性に似せた人形作りに励む。

 天才人形作家を主人公に描く長編サスペンス。
(徳間書店 648円)

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