「草魚バスターズ」真板昭夫

公開日: 更新日:

<「朽ち果てた史跡の池を蘇らせた13年間の格闘の記録です」>

 京都市右京区にある大覚寺の大沢池に今年、3500本もの美しい蓮の花が咲き誇った。その風景はさながら極楽浄土のようであったというが、かつてこの池は腐敗して異臭を放ち、誰にも見向きもされないありさまだったという。
「私が京都嵯峨芸術大学に赴任した年、大覚寺の執行長であり大学の理事長でもある坂口博翁氏に、こう言われたんです。“水草除去のために『ソウギョ』を入れたが、わずか2年で水草を食い尽くし、今では周囲の木杭も食べ始めている。何とか昔の池の風景を取り戻してもらえないか”。ソウギョさえ捕らえれば済むことと、気安く引き受けたのですが、まさか、その先13年も池と格闘することになるとは夢にも思いませんでした(笑い)」

 本書は、自然文化遺産維持の実践例であり、生態系と外来種に関する問題提起の書でもある。ちなみにソウギョとは、中国原産のコイ科の大型淡水魚で、漢字で草魚と書くように草食性だ。著者は学生らと「草魚バスターズ」を結成し、対処に当たるのだが……。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    オコエ瑠偉 行方不明報道→退団の真相「巨人内に応援する人間はいない」の辛辣

  2. 2

    矢沢永吉&松任谷由実に桑田佳祐との"共演"再現論…NHK紅白歌合戦「視聴率30%台死守」で浮上

  3. 3

    ヤクルト青木宣親GMは大先輩にも遠慮なし “メジャー流”で池山新監督の組閣要望を突っぱねた

  4. 4

    神田沙也加さん「自裁」の動機と遺書…恋人との確執、愛犬の死、母との断絶

  5. 5

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  1. 6

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  2. 7

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  3. 8

    阿部監督のせい?巨人「マエケン取り失敗」の深層 その独善的な振舞いは筒抜けだった

  4. 9

    大谷翔平、笑顔の裏に別の顔 日刊ゲンダイは花巻東時代からどう報じてきたか、紙面とともに振り返る

  5. 10

    プロスカウトも把握 高校球界で横行するサイン盗みの実情