「京都の闇」関裕二著

公開日: 更新日:

■平安京誕生の秘密を読み解く

 弥生時代の終焉と建国事業は、なぜ交通の要衝であり、水の都でもあった京都ではなく、奈良の大和で始まったのか。そして桓武天皇は、なぜ平城京を捨て、長岡京、平安京へと遷都を繰り返したのか。

 九州や出雲、吉備などの西側と近江、東海の東側との勢力争いの構図からその地勢的背景を考察。その勢力争いの影響が後の平安京遷都へとつながったと著者は指摘する。京都の基礎を築いた秦氏と平安京の関係、そして平安京の多くの謎が凝縮されている広隆寺など。

 今もにぎわう観光名所の裏事情を語りながら、平安京誕生の秘密を解き明かし、歴史の深層に迫る古代史読み物。

(講談社 1400円)

【連載】土曜あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋