「堕落のグルメ」友里征耶氏

公開日: 更新日:

■「関東の味は濃いという関西人は、実は実態を知らないんです」

「グルメ本は星の数ほどあり、すべてが客の側から店や業界を書いた内容です。その点、本書はそれに加え、客に対して私が常々感じている疑問やおかしいと思うことを率直に明かしてあります。その意味でも非常にユニークではないでしょうか」

 なるほど。店を訪れる客を対象にした評論など読んだことがない。では、著者は客のどんな部分に疑問を感じているのか。
「私の両親は大阪の泉南にルーツがある関西出身の人間ですが、関西人の舌や店での行状を俎上(そじょう)にのせています。例えば、関西人はしばしば関東の味の濃さを指摘し、それが下品であるかのようにいい、関西の薄味は上品だと胸を張ります」

 その図式、確かによく耳にする話だ。
「でも、関西人は関東の例えば天ぷらの衣やソバのつけ汁の色の濃さから味も濃いと判断しているだけ。関西人でいろいろ食べ歩いている方は本当に少なく、実態を知らないんです。私にいわせていただくと、大阪の料理の味は間違いなく濃いし、京都の創作和食も濃さに驚くほどです」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅宮アンナ「10日婚」短期間で"また"深い関係に…「だから騙される」父・辰夫さんが語っていた恋愛癖

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  3. 3

    砂川リチャード抱える巨人のジレンマ…“どうしても”の出血トレードが首絞める

  4. 4

    日テレ退職の豊田順子アナが定年&再雇用をスルーした事情…ベテラン局アナ「セカンドキャリア」の明と暗

  5. 5

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  1. 6

    中学受験で慶応普通部に合格した「マドラス」御曹司・岩田剛典がパフォーマーの道に進むまで

  2. 7

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  3. 8

    阿部巨人“貧打の元凶”坂本勇人の起用に執着しているウラ事情…11日は見せ場なしの4タコ、打率.153

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  5. 10

    フジ・メディアHD株主総会間近…328億円赤字でも「まだマシ」と思える系列ローカル局の“干上がり”ぶり