新選組の無名隊士を描いた短編集を上梓 小松エメル氏に聞く

公開日: 更新日:

 中学生のころから新選組が好きだったという著者。並の歴女ならヒーローには沖田総司あたりを選ぶところだが、今作「夢の燈影」の主人公に選んだのは、思わず「WHO IS HE?」と聞きたくなる無名の隊士たちだ。

 明治人情妖怪譚「一鬼夜行」シリーズで知られる著者がそもそも作家の道を選んだのは、新選組がきっかけだったという。

「新選組が好きで、図書館で調べたりしていたんです。それで新選組の本を書きたくなって。高3の夏に美大に進むつもりだったのを変更して史学科にしたくらい好きだったんです」

 作家になり、日頃から新選組を書きたいと周囲にアピールしていたら、編集部から勧められて、チャレンジすることに。

「そのときは、もう来たか、と思いました(笑い)」

 それにしてもなぜ、無名の隊士なのか?

「沖田総司が好きだったんですが、司馬遼太郎さんの『燃えよ剣』などでイメージが浸透しているので、違うところに焦点を当ててみたいと考えました。目的に向かって邁進して大活躍する隊士がいる一方で、他の隊士は何をしていたのかなと。新選組という組織は好きだけど、内部が見えてこない。それで、400人くらいの隊士の中から、隊内の序列や役職などでひっかかりを覚えた人を選びました」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

  2. 2
    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

  3. 3
    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

  4. 4
    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

  5. 5
    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

  1. 6
    新婚ホヤホヤ真美子夫人を直撃、米国生活の根幹揺るがす「水原夫人」の離脱

    新婚ホヤホヤ真美子夫人を直撃、米国生活の根幹揺るがす「水原夫人」の離脱

  2. 7
    違法賭博に関与なら出場停止どころか「永久追放処分」まである

    違法賭博に関与なら出場停止どころか「永久追放処分」まである

  3. 8
    大谷翔平のパブリックイメージを壊した水原一平通訳の罪…小栗旬ら芸能人との交流にも冷たい視線

    大谷翔平のパブリックイメージを壊した水原一平通訳の罪…小栗旬ら芸能人との交流にも冷たい視線

  4. 9
    小室圭さんが窮地の大谷翔平の“救世主”に? 新通訳&弁護士就任にファンが期待

    小室圭さんが窮地の大谷翔平の“救世主”に? 新通訳&弁護士就任にファンが期待

  5. 10
    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終

    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終