新選組の無名隊士を描いた短編集を上梓 小松エメル氏に聞く

公開日: 更新日:

 中学生のころから新選組が好きだったという著者。並の歴女ならヒーローには沖田総司あたりを選ぶところだが、今作「夢の燈影」の主人公に選んだのは、思わず「WHO IS HE?」と聞きたくなる無名の隊士たちだ。

 明治人情妖怪譚「一鬼夜行」シリーズで知られる著者がそもそも作家の道を選んだのは、新選組がきっかけだったという。

「新選組が好きで、図書館で調べたりしていたんです。それで新選組の本を書きたくなって。高3の夏に美大に進むつもりだったのを変更して史学科にしたくらい好きだったんです」

 作家になり、日頃から新選組を書きたいと周囲にアピールしていたら、編集部から勧められて、チャレンジすることに。

「そのときは、もう来たか、と思いました(笑い)」

 それにしてもなぜ、無名の隊士なのか?

「沖田総司が好きだったんですが、司馬遼太郎さんの『燃えよ剣』などでイメージが浸透しているので、違うところに焦点を当ててみたいと考えました。目的に向かって邁進して大活躍する隊士がいる一方で、他の隊士は何をしていたのかなと。新選組という組織は好きだけど、内部が見えてこない。それで、400人くらいの隊士の中から、隊内の序列や役職などでひっかかりを覚えた人を選びました」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」