人気シリーズの最新作を上梓した大沢在昌氏に聞く

公開日: 更新日:

 大沢作品の中で「新宿鮫」シリーズと双璧を成す「狩人」シリーズがスタートしたのは、1996年のこと。1作目となった「北の狩人」から18年、新宿署のアウトロー刑事・佐江が活躍するハードボイルド小説最新作「雨の狩人」(幻冬舎 1800円)がついに刊行された。シリーズの中でも異色となったと著者自ら語る本作では、主人公である佐江が矜持をかけた選択を迫られることになる。

 新宿は歌舞伎町、違法賭博の地下格闘技大会が開催されていたキャバクラで、不動産会社社長が銃殺される。佐江は捜査に当たるが、大会元締のしっぽが掴めない。試合ごとにプロモーターがころころ代わり、連絡はすべて海外サーバーを通したメール。しかも、関係者にヤクザはいないというのだ。

「本シリーズ1作目の『北の狩人』の時代が牧歌的と思えるほど、暴力団の世界は変わりました。組織犯罪処罰法や暴力団排除条例の影響で、“組”に属することがもはや利益をもたらさなくなり、商売も始められず部屋を借りることすらできなくなった。おかげで、表面上は暴力団潰しができているように見えますが、実際にはヤクザよりタチの悪い、犯罪のセミプロ集団が暗躍する時代になっています」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  2. 2

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か

  5. 5

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  1. 6

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  2. 7

    三山凌輝に「1億円結婚詐欺」疑惑…SKY-HIの対応は? お手本は「純烈」メンバーの不祥事案件

  3. 8

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  4. 9

    佐藤健と「私の夫と結婚して」W主演で小芝風花を心配するSNS…永野芽郁のW不倫騒動で“共演者キラー”ぶり再注目

  5. 10

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意