「聖地巡礼 ライジング 熊野紀行」内田樹、釈徹宗著

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 各地の聖地と呼ばれる場所を訪ね、宗教の本質を探る対談集シリーズ。

 4度目となった今回は、中世まで日本最大の巡礼であった熊野を歩く。熊野那智大社・熊野本宮大社・熊野速玉大社の熊野三山はそれぞれ違う神様を祭っているが、一方で仏が神の姿になって現れる本地垂迹説を早くから受け入れた神仏習合の地であり、また修験道、陰陽道などさまざまなものが融合した聖地でもある。その特徴は「信不信を選ばず、浄不浄を嫌わず」というところにあるという。神域の入り口である滝尻王子を起点に古道を歩き、日本人の自然観や宗教性を論じながら「人はなぜ熊野に引かれるのか」を考察する。(東京書籍 1500円+税)

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