スマホやネットで個人情報が収集される!

公開日: 更新日:

 125万件もの個人情報を流出させた日本年金機構の失態。ネット社会ではプライバシーの侵害が、たやすく起こることを思い知らされた。

 ジュリア・アングウィン著、三浦和子訳「ドラグネット 監視網社会」(祥伝社 1650円+税)では、デジタル時代における個人情報取り扱いの実態をリポート。個人情報を無差別にかき集めるドラグネット(監視網)が生活の隅々にまで張り巡らされ、誰でもいつでも監視された状態である現実を突き付けてくる。

 ネットによる最大の監視網といえば、2013年にエドワード・スノーデンが暴露した、アメリカ国家安全保障局によるアメリカ市民や各国大使館の膨大な通信データ傍受だろう。そして一般企業も、この“監視網ビジネス”に乗り出している。アメリカの通信事業会社AT&Tとベライゾンでは、携帯電話利用者の位置情報を販売。これをショッピングセンターなどが取得すれば、買い物客の移動経路追跡などが可能になる。

 オンラインでは、我々がサイトを閲覧している状況を何百という広告会社が監視している。例えば“血糖値”と検索した人は潜在的糖尿病患者と見なされ、製薬会社や保険会社などにその情報が提供されている可能性もある。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する