「空の上の格差社会」杉浦一機著

公開日: 更新日:

 最近の旅客機のエコノミークラスの多くは、シートピッチ(前後の間隔)が1980年代よりも10センチ以上も狭くなり、立ち席シートの導入まで検討されている。一方でビジネスクラスのシートピッチは2メートルを超えるものまであり、ビジネスクラスの充実に押し上げられたファーストクラスでは、マンション型個室まで現れた。

 エコノミークラスの誕生当初、こうした格差の拡大は航空旅行を庶民のレベルに近づけるという効能があった。しかし、3クラス制の導入によって、上級クラスの待遇が向上するのに対してエコノミークラスは環境悪化の一途。こうした旅客機のクラス分けの歴史を追いながら、空の「貧富の格差」の影響と、未来を展望した業界研究本。

(平凡社 840円+税)

【連載】新書あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 2

    巨人の“お家芸”今オフの「場当たり的補強」はフロント主導…来季もダメなら編成幹部の首が飛ぶ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  5. 5

    国民・玉木雄一郎代表の“不倫相手”元グラドルがSNS凍結? 観光大使を委嘱する行政担当者が「現在地」を答えた

  1. 6

    星野監督時代は「陣形」が存在、いまでは考えられない乱闘の内幕

  2. 7

    若林志穂さん「Nさん、早く捕まってください」と悲痛な叫び…直前に配信された対談動画に反応

  3. 8

    米倉涼子に降りかかった2度目の薬物疑惑…元交際相手逮捕も“尿検査シロ”で女優転身に成功した過去

  4. 9

    国民民主から維新に乗り換えた高市自民が「政治の安定」を掲げて「数合わせヤドカリ連立」を急ぐワケ

  5. 10

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで