「戦争しない国が好き!」おのだめりこ編著

公開日: 更新日:

 昭和15年、召集令状を受け取った立太郎は、思いをよせていた女性のいる喫茶店に足を向けた。彼の丸刈りを見て事情を察した女性は、何も言わず彼の好きな「ボレロ」のレコードをかけてくれた。中国戦線に送られた立太郎は、捕虜を銃剣で突き刺すことを命じられる。抵抗できない人間を殺すことに逡巡するが、逆らえば敵前抗命罪で自分が殺される。覚悟を決めて捕虜を見た瞬間、相手はにやりと笑った。その体験は悪夢となって繰り返し立太郎をさいなむ。戦後、帰国した彼は、喫茶店の一家が空襲で全滅したことを知る。(「ボレロ」)

 中学生が「身近な人たちの戦争体験聞き書き学習」でつづった22編の作文集。(高文研 1400円+税)



【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」