【特別編】首相の背後霊の悪を見極める必要

公開日: 更新日:

「満州裏史」太田尚樹著 講談社文庫

 安倍晋三の祖父で、その背後霊ともいうべき岸信介の悪さが忘れられている。それは不気味な輝きさえ持つ悪さであり、旧満州国に集約される。俗に「2キ3スケ」といい、東条英機、星野直樹の2キと、松岡洋右、鮎川義介、そして岸信介の3スケが中心となって大日本帝国のカイライである満州国を牛耳っていたといわれるが、当然、東条らと共にA級の戦争犯罪人となるべきなのに、敗戦近くなって東条と衝突したために、それを免れ、ついには首相になってしまった岸の悪辣さを、いま改めて問題にしなければならない。

「満州裏史」は、そのための必読書。この本は岸と甘粕正彦の出会いの場面から始まる。甘粕は関東大震災の時に無政府主義者の大杉栄らを暗殺した犯人とされるが、実は甘粕がその罪を背負ったので、だから軍首脳は甘粕を満州に逃がし、さまざまな裏工作に当たらせる。中国との戦争を始めさせる特務工作であったり、アヘンの密売などを担当させたのである。

「満州裏史」はつながりの深かった岸と甘粕の物語だが、もうひとり、トリオというほど親しかったのが東条だった。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    そもそもWBCってどんな大会?日本がMLBの“金ヅル”から脱却できない意外な事情

  2. 2

    高市首相が石川県知事選の敗北にブチ切れ! NHK調査でも内閣支持率が下落…人気低下の兆しに隠せぬ「焦り」

  3. 3

    侍J大谷翔平が完全非公開&厳戒態勢の神宮球場でライブBP! 背景にドジャース側からの情報統制か

  4. 4

    「キンプリ」ついに解散状態へ! 永瀬廉の「個人FC」設立と「キントレ」終了の因果関係

  5. 5

    「リブート」で“覚醒”した永瀬廉が主演映画にかける切実事情 キンプリは“分裂3年”で「Number_i」と大きな差

  1. 6

    戸田恵梨香「リブート」出演で“新ファッション女王”へ 衣装&ジュエリーがSNS席巻、松嶋菜々子超えの存在感

  2. 7

    元EXILE黒木啓司がLDHを離れたワケ…妻のド派手すぎるセレブ生活が遠因か

  3. 8

    高市首相が独断専行で原油高対策を猛アピール 国会審議そっちのけ予算案組み替えは“黙殺”の鉄面皮

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希が開幕ローテ入り決定 マイナー相手に7者連続奪三振で存在感示す

  5. 10

    アストロズ今井達也の侍J合流に現実味 キャンプ地は決勝T会場まで車で1時間、ルール&日程も問題なし