著者のコラム一覧
香山リカ精神科医・立教大学現代心理学部映像身体学科教授

1960年、北海道生まれ。東京医科大卒。NHKラジオ「香山リカのココロの美容液」パーソナリティー。著書に「執着 生きづらさの正体」ほか多数。

こんな人が私の診療室を訪れたら、迷わず認知療法を

公開日: 更新日:

「安倍さんとホンネで話した700時間」青山和弘著

 あるとき知り合いのジャーナリストに言われた。「安倍政権を批判するなら、きちんと相手を知らなければダメだよ」。そして薦められたのがこの本。著者は日本テレビの現役解説委員、安保法が参院審議中に総理自ら出演した情報番組で「廃案になっては困るんです」とコメントし、あまりに中立性を欠いていると話題になったこともあった。

 当然のごとく、本書も各章の終わりこそ「自分の意見に反する人の意見も尊重して」などと安倍総理への“注文”らしき一文で締められているが、ほかは全面的に総理の発言をそのまままとめてみました、といったふうとなっている。仮にもジャーナリストの書いた本がこれか、などツッコミたくなる気持ちを抑えて読み進めるまでもなく、冒頭の章に決定的なことが書かれている。

 すなわち「安倍さんは自分たちが『抑圧された少数派なのだ』という感覚を持って」おり、「この感覚は、その後の安倍さんの行動原理を読み解くうえで、重要な鍵」になるというのだ。もちろん、その感覚がはじめて芽生えたのは「本当に優しいおじいさん」岸信介へのバッシングを目の当たりにしたときだ。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁