「中国残留孤児70年の孤独」平井美帆著

公開日: 更新日:

 戦争で中国に置き去りにされた「中国残留孤児」とその家族の波乱の人生を追うノンフィクション。

 池田澄江さんは、生後10カ月の時に黒竜江省牡丹江で子供のいない中国人夫妻に引き取られ「徐明」と名付けられ育つ。8歳のときに自分が日本人だと知り、いつか日本に帰るとの思いを抱く。72年の国交正常化後、家族を探し始め、81年、父親が名乗り出て一緒に日本へ帰国。しかし、数カ月後にDNA検査でその男性とは血縁がないことが分かり、家を追い出されてしまう。その他、彼女が理事長として運営に携わる東京・御徒町の「中国残留孤児の家」に集う人々の人生を丹念に取材。戦争70年経た今も続く彼らの苦悩に寄り添う。

(集英社インターナショナル 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾