「中国残留孤児70年の孤独」平井美帆著

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 戦争で中国に置き去りにされた「中国残留孤児」とその家族の波乱の人生を追うノンフィクション。

 池田澄江さんは、生後10カ月の時に黒竜江省牡丹江で子供のいない中国人夫妻に引き取られ「徐明」と名付けられ育つ。8歳のときに自分が日本人だと知り、いつか日本に帰るとの思いを抱く。72年の国交正常化後、家族を探し始め、81年、父親が名乗り出て一緒に日本へ帰国。しかし、数カ月後にDNA検査でその男性とは血縁がないことが分かり、家を追い出されてしまう。その他、彼女が理事長として運営に携わる東京・御徒町の「中国残留孤児の家」に集う人々の人生を丹念に取材。戦争70年経た今も続く彼らの苦悩に寄り添う。

(集英社インターナショナル 1700円+税)

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