「語りだす奈良118の物語」西山厚著

公開日:  更新日:

 奈良国立博物館の学芸部長として多くの展覧会を企画運営してきた著者によるエッセー集。

 東日本大震災の数日後に記した「大地との絆」では、アニメ「風の谷のナウシカ」の主人公の少女と、東大寺の大仏を作った聖武天皇のエピソードを紹介しながら、「世界を救うことができるのは、深く傷つき、深く苦しみ、その真っただ中を歩み続けている人だけだろう」と被災地に思いを馳せる。

 また、正倉院の宝物である聖武天皇遺愛の品々をなぜ后の光明皇后は大仏に献納したのか、そして昭和21年に最初で最後の予定で開催された正倉院展が現代まで続いた理由などを明かす「正倉院宝物の力」など。仏教研究に裏打ちされた豊かな知見からつづられる文章に心洗われる。

(ウェッジ 1500円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “年金博士”警鐘 支給年齢「68歳引き上げ」が意味すること

  2. 2

    早とちり小池知事…都が鑑定の“バンクシー作品”には型紙が

  3. 3

    地方は“安倍自民NO” 高知新聞「内閣支持率26%」の衝撃

  4. 4

    JOC会長を猛批判 小池知事に長男・竹田恒泰氏との“因縁”

  5. 5

    広島対策は“丸投げ”? 巨人スタッフ会議で投打コーチ言及

  6. 6

    常盤貴子「グッドワイフ」上昇のカギは美魔女の輝きと気概

  7. 7

    巨人は先発6人以外“全員中継ぎ” 勝利の方程式を追加構想

  8. 8

    年商200億円の深キョン新恋人 “ホコリだらけ”の女性遍歴

  9. 9

    ドラ1左腕も“被害者”か…岩隈加入で巨人若手が行き場失う

  10. 10

    ボールの下にバットを入れる“ホームラン打法”に対する誤解

もっと見る