「房総の列車が停まった日」西村京太郎著

公開日: 更新日:

 十津川は、東京郊外の空き別荘で起きた殺人事件の捜査に着手。現場の床には将棋盤のマス目のように白い線が書き込まれていた。犯人は人間将棋で被害者を追い詰め、爆死させたようだ。やがて、現場に残されていた将棋の駒が、前年の名人戦で使われた貴重な駒だと分かる。

 そんな中、犯人からと思われる殺人予告が本庁に届く。予告通り千葉の海岸で見つかった被害者の喉から、将棋の駒が出てくる。さらに、続いて他殺体で発見された女子大生の携帯電話にも、将棋の駒が結ばれていた。十津川らが3人の共通点を探すと、被害者たちの祖父が戦時中、同じ戦地にいたことが分かる。

 将棋の駒に導かれ、70年前の戦場の悲劇が明らかになる長編ミステリー。(KADOKAWA 840円+税)



【連載】新書あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  2. 2

    “芸能界のドン”逝去で変わりゆく業界勢力図…取り巻きや御用マスコミが消えた後に現れるモノ

  3. 3

    渡辺謙63歳で「ケイダッシュ」退社→独り立ちの背景と21歳年下女性との再々婚

  4. 4

    参政党は言行一致の政党だった!「多夫多妻」の提唱通り、党内は不倫やら略奪婚が花盛り

  5. 5

    悠仁さま「友人とガスト」でリア充の一方…警備の心配とお妃候補との出会いへのプレッシャー

  1. 6

    伊東市長「続投表明」で大炎上!そして学歴詐称疑惑は「カイロ大卒」の小池都知事にも“飛び火”

  2. 7

    大阪万博は鉄道もバスも激混みでウンザリ…会場の夢洲から安治川口駅まで、8キロを歩いてみた

  3. 8

    早場米シーズン到来、例年にない高値…では今年のコメ相場はどうなる?

  4. 9

    中島歩「あんぱん」の名演に視聴者涙…“棒読み俳優”のトラウマ克服、11年ぶり朝ドラで進化

  5. 10

    米価高騰「流通悪玉論」は真っ赤なウソだった! コメ不足を招いた農水省“見込み違い”の大罪