「当確師」真山仁著

公開日: 更新日:

 聖達磨は、当選確率99%という「当確師」を自称するやり手の選挙コンサルタント。今回聖が依頼されたのは、政令指定都市高天市の市長選。高天市は日本で一番住みたい都市に4年連続1位となり、大災害時に備えた首都機能補完都市にも選定されていた。高天市をイメージアップさせた現職の鏑木次郎市長は、市民からの大きな支持を得ている一方、そのあまりの権力の集中に危惧を抱く反市長陣営も。彼らが3選を阻止すべく聖に打倒鏑木のミッションを持ち込んだのだ。

 聖が対抗馬に選んだのは幼いときに病気で聴力を失い、市民相談のNPO法人の代表を務める黒松幸子。幸子は鏑木の妻・瑞穂の親友で、瑞穂はまた高天市有数の財閥グループの総帥で、大票田の宗教団体の総代でもある。この複雑な関係を利用して、圧倒的に勝ち目のない選挙戦に起死回生の逆転劇をもくろむ聖……。

 選挙をめぐる虚々実々の駆け引きの実態を描きながらも、政治に不信と諦めをもつ現代日本人へ向け、民主主義の在り方とその力を問う、エンターテインメントな選挙小説。
(中央公論新社 1500円+税)


日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK大河「いだてん」大コケでわかった ドラマとは主役次第

  2. 2

    李柄輝氏が語る朝鮮の原則「米国が提案蹴れば行動に移る」

  3. 3

    伝説の麻薬Gメンが指摘 ピエール瀧コカイン常習の“証拠”

  4. 4

    朝から晩までピエール瀧 おかげで安倍悪辣政権が6年安泰

  5. 5

    “黒塗り違法”判決にもダンマリ…財務省の呆れた隠ぺい体質

  6. 6

    私情や保身を優先する愚かさ 野党結集を邪魔する“新6人衆”

  7. 7

    フジ月9の“復活”を占う 錦戸亮「トレース」最終回の視聴率

  8. 8

    V候補の星稜は…センバツ初戦「勝つ高校」と「散る高校」

  9. 9

    また偽装発覚…安倍首相が施政方針演説で巧みな“錯覚工作”

  10. 10

    NHKも優遇なし 青山アナに「育休中の給与返せ」批判の誤解

もっと見る