「音楽に自然を聴く」小沼純一著

公開日: 更新日:

 テクノロジーの進歩のおかげで、多くの人が「音楽」と呼ぶ再生される音を日常生活のなかで聴くようになった。一度きりの音楽が特定の場で奏でられていた時代と違い、スタジオで何度も演奏された音から良く出来たテークだけを切り張りすることや、別々に録音した音を重ねてひとつの音楽にして好きな場に持ち運んで聴けることが普通になり、日々サイボーグのような音に囲まれている。

 本書は、そんな昨今の音楽を巡る状況を取り払い、人の呼吸やノイズ、虫や鳥の音、川や海や雨が奏でる音、楽器という文化まで取り込みつつ、音楽の根源を探る一冊だ。

 グランドピアノについての描写がある小説「羊と鋼の森」(宮下奈都著 文藝春秋)の一節から始まる本書は、日本の音楽として長唄の藤娘、アルベール・ルーセルのバレエ音楽、フランスの作曲家メシアンによる自然と音楽の考察などにも言及。詩的な文章で幅広い視点から豊かなインスピレーションを与えてくれる。(平凡社 800円+税)


日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安倍自民が恐れ、大メディアが無視する山本太郎の破壊力

  2. 2

    れいわ新選組・山本太郎氏「世の中変わるなら捨て石上等」

  3. 3

    安倍首相「韓国叩き」大誤算…関連株下落で日本孤立の一途

  4. 4

    学会員の動き鈍く…投票率上昇で公明「選挙区1勝6敗」危機

  5. 5

    宮迫のしくじりで好機 ミキらお笑い“第7世代”の虎視眈々

  6. 6

    浅田真央「24時間テレビ」起用で日テレが弾くソロバン

  7. 7

    東北は依然苦戦…安倍首相「応援演説」激戦区は13勝14敗も

  8. 8

    楽天則本の7年契約にメジャースカウト仲間は肩を落とした

  9. 9

    リオでは45万個配布 東京五輪も“コンドーム戦争”が勃発か

  10. 10

    宮川大輔が頓挫…24時間TVマラソンランナー選出のドタバタ

もっと見る

編集部オススメ

  1. {{ $index+1 }}

    {{ pickup.Article.title_short }}

もっと見る