トランプ大放言 毒々しくずぶといユーモア感覚は侮れない

公開日: 更新日:

「人生は爆発だ!」ハート・シーリー著、前田和男訳

 米共和党大統領候補に決まって一気に注目度の上がったドナルド・トランプ。おかげで毒々しい彼の放言集も続々登場している――。

 トランプ放言集の特徴は、著者がトランプびいきかトランプ嫌いか、はっきり分かれていること。しかしアメリカのパロディー作家による本書は、あくまでヤジ馬的スタンスを貫く。

 昨年5月の出馬表明のときは不法移民の多いヒスパニックへの敵対発言で世間を騒がせたのに、3カ月後には遊説先で「私はメキシコが好きだ。メキシコ人も好きだ」と手のひらを返す。徹底したご都合主義と自画自賛が持ち味で、普通なら命取りになる失言でも支持率が下がらない。あげくに平然と「実は(これでも)ナイスなやつなんだけどな、私は」とやってのけるものだから、場内大爆笑というわけだ。

 ポピュリズムとは大衆の不満や恨みの感情を養分にした政治的扇動で、代表がヒトラーだが、トランプの場合、この毒々しくもずぶといユーモア(?)感覚こそが余人に真似のできないポピュリズム能力となっているのだ。「私の美点は何か。そのひとつは、大金持ちであることだ」と言い放って反発されないというこの男。下品な成り上がりとさげすむと痛い目に遭うだろう。(ビジネス社 900円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    オコエ瑠偉 行方不明報道→退団の真相「巨人内に応援する人間はいない」の辛辣

  2. 2

    ヤクルト青木宣親GMは大先輩にも遠慮なし “メジャー流”で池山新監督の組閣要望を突っぱねた

  3. 3

    矢沢永吉&松任谷由実に桑田佳祐との"共演"再現論…NHK紅白歌合戦「視聴率30%台死守」で浮上

  4. 4

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  5. 5

    清原和博 夜の「ご乱行」3連発(00年~05年)…キャンプ中の夜遊び、女遊び、無断外泊は恒例行事だった

  1. 6

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  2. 7

    Cocomiと男子バレー小川智大の結婚に立ちはだかる母・工藤静香の“壁” 「日の丸ブランド」認めるか?

  3. 8

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  4. 9

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  5. 10

    《浜辺美波がどけよ》日テレ「24時間テレビ」永瀬廉が国技館に現れたのは番組終盤でモヤモヤの声