中国経済はバブルリレーのアンカー(最終走者)なのか?

公開日: 更新日:

「2020年の中国」此本臣吾ほか編著

 昨年の中国共産党全人代で報告された「新常態(ニューノーマル)」。高成長を中成長に切り替える新方針だが、要は景気減速が明らかな現状をソフトランディングさせる方針への転換ということだ。

 しかし途上国→中進国→先進国と進む間も十分な輸出市場を持っていた日本、韓国、台湾などと違って巨大な中国は求める市場もけた外れに大きい。そこで海陸のシルクロードを生かして中央アジアや近東に活路を求める「一帯一路」構想をぶち上げたものの、その行く手は難路だ。

 野村総研の中国専門家による本書は中国の現況と今後の事業機会を丁寧に解説。消費意欲の旺盛な中国の中間層にとって日本ブランドは「丁寧」だが、欧米の「高級」や韓国ブランドの「おしゃれ」などのような特徴が希薄という指摘なども興味深い。(東洋経済新報社 2000円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋