「アメリカはなぜトランプを選んだのか」開高一希著

公開日: 更新日:

 予想を覆し、アメリカ共和党の大統領候補の指名を勝ち取ったドナルド・トランプ。本書は、メディアで断片的、扇情的に伝えられる彼の発言を詳細に追い、何が有権者の支持につながったのかを読み解くリポートだ。

 例えば、日本人を驚かせた「日本も核兵器を持つべきだ」との発言。実は、発言の前後の文脈を確認すると、彼は核兵器の拡散には反対だが、北朝鮮情勢などを鑑みると、日本や韓国はやがて核を持つことになるだろうと「予測」を述べているにすぎないという。スピーチライターに頼らず、800万人ものフォロワーがいるツイートも自ら書き込むというその発言から、トランプの実像に迫るタイムリー本。(文藝春秋 1200円+税)

【連載】BOOKレビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも