「何様」朝井リョウ著

公開日: 更新日:

 直木賞受賞作「何者」は、男女5人の大学生が就活を通じて「何者」であるかを模索する青春小説。映画化され、間もなく公開される。本作は、「何者」のアナザーストーリー6編を収めた短編集。

「水曜日の南階段はきれい」は、バンド活動に熱中し、ミュージシャンを夢見ていた高校生・光太郎が、就活でなぜ出版社にこだわったのかが明かされる。彼を動かしたのは、高校の同級生夕子との卒業間際の淡い恋だった。

「むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった」には、光太郎の元恋人、瑞月の父親が登場する。ふとしたことで30代のマナー講師・正美と知り合い、真面目に頑張ってきた彼女の「むしゃくしゃ」に押し流されるように道をふみはずす……。

 表題作「何様」の主人公は、人事部に配属された新入社員・克弘。駆け出しの面接官となり、おまえは人を選別できる人間か、と自問する。彼は「何者」の主人公・拓人と、小さな接点を持っている。

 という具合に「何者」の登場人物が時間とポジションを変えて登場、さらに新しい人物も加わって、広がりと厚みのある物語が展開する。迷いながら、もがきながら、生きることに懸命な彼らがいとおしい。(新潮社 1600円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    小手伸也さん不倫騒動 マレーシアまで取材する必要ある?

  2. 2

    木下優樹菜“恫喝DM”炎上で謝罪も…夫フジモンへ飛び火確実

  3. 3

    石田ゆり子&渡辺美奈代 50歳で評価「天と地の差」のナゼ

  4. 4

    木下優樹菜は“恫喝DM”で窮地に…芸能人にSNSは“諸刃の刃”

  5. 5

    稲村公望氏 日本郵政の迷走は民営化という構造改悪の結果

  6. 6

    沢尻エリカvs門脇麦「麒麟がくる」撮影現場で一触即発か

  7. 7

    本田翼は“残念な女優”なのに…視聴率は稼げる意外なワケ

  8. 8

    ベスト15にズラリ 海外リーグが付けた日本人選手のお値段

  9. 9

    日韓“オトモダチ”会談 安倍首相と李洛淵氏それぞれの思惑

  10. 10

    ガッキーを追い込んだのは錦戸か 明るみになるゲスな過去

もっと見る

編集部オススメ

  1. {{ $index+1 }}

    {{ pickup.Article.title_short }}

もっと見る