「新版 生きるヒント 3」五木寛之著
大ベストセラーの生き方エッセー第3弾。「楽しむ」と題した章では、漫画界の長老・横山隆一氏と会った際のエピソードを紹介。その生き方にあこがれるのは、いつも「楽しそう」に生きているからだ。一方で人はすべて心の深いところに、それぞれの「暗愁」を抱いて生きているのではないかと指摘。生きるということ自体が「思うにまかせぬ」ことだから、人は人生におのずと「楽しみ」を求める。酒で憂いを忘れるとも言うが、一番の楽しみは横山氏が身辺に漂わす「楽しい気」を浴びることだという。なぜなら、人間は、人間によって癒やされるしかないからだと。
ほか、「味わう」「叱る」など12の言葉をキーワードに社会の中ですり減った自分を癒やす方法を説く。(集英社 560円+税)