タイムズカー集団訴訟の難しさ…不正アクセスの「過失」を証明するのは誰か
「裁判は真実を明らかにする場」と思っている方は多いでしょう。しかし民事裁判には、事実がはっきりしないときにどちらを負けさせるかを決めるルールがあります。タイムズカーの集団訴訟でも、このルールがカギを握りそうです。
不正アクセスにより約660万アカウント分の個人情報が流出したタイムズカーに対する集団訴訟を呼びかける弁護士は、1人あたり3万~5万円の慰謝料を求めて年内に提訴する方針を明らかにしました。請求の根拠としては、民法の不法行為と、会員契約に基づく安全管理義務の違反の2つが挙げられています。
ここで押さえておきたいのが「主張立証責任」です。民事裁判では、ある法律効果を求める側が、その要件となる事実を主張し、証拠で証明しなければなりません。主張しない事実は判決の基礎にされず、真偽不明に終われば、その事実を前提とする法律効果は認められないのです。ざっくり言えば、「グレーなら、証明する役目を負った側の負け」というルールなんです。
では、請求の根拠によって違いは出るのでしょうか。不法行為で請求する場合、原告は会社の過失を証明する必要があります。一方、安全管理義務違反では、原告は契約の存在や義務が果たされなかったことなどを証明すれば足り、「責任を負わない事情があった」ことは会社側が証明しなければなりません。条文だけを見れば、後者で訴える方が原告に有利に見えます。


















