「ぶらりぶらこの恋」吉川トリコ著
音大を出て、ピアノバーのピアノ弾きのるり子は、宗介からプロポーズされる。数カ月前、るり子は店の設備の修理に来た宗介と知り合った。るり子の演奏に感動した宗介は、その後、店に通ってきていたが、プロポーズされるとは思ってもいなかった。
人生をぶらぶら楽しく生きるるり子は、20年前に失踪した父を見つけることを結婚の条件にして、まずは同棲を始める。以来2年、宗介に「ぶらこ」と呼ばれながら2人は仲良く暮らしていた。しかし、最近、るり子はピアノ教室の生徒・暁生の存在も少々気になる。そんな中、ささいなことで宗介との仲に溝が生まれてしまう。
ひとところに収まらず揺れ動くるり子と、彼女を見守る宗介を描く切ない恋愛小説。(講談社 680円+税)