「今日という一日のために」近藤勝重著

公開日: 更新日:

 毎日新聞夕刊の人気コラム「しあわせのトンボ」連載10周年を記念した傑作選集。

 少年時代によく渓谷で遊んだ著者は、ある日、誘われるように川辺に立ち寄り、子供のころのように小石を早瀬に投げているうちに、童心とは無縁の寂しいような虚しいような気持ちになった。人生の風景が変わり、子供のころのように毎日が楽しいと思うことはなくなったと振り返る。一方で、自然とともに過ごすことのない今の子供たちの行く末を案じる「川風に吹かれて」のほか、身近な草花・花木から、定年男たちのその後、無為に過ごしたように見える日に出会った「笑いの天使とともに」など。日常の点景から世相までしみじみとした文章でつづる。(幻冬舎 1100円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束