「隠す」柴田よしき他著
暴言で売れているコメンテーターの松本コタローが駐車場で刺された。容疑者のイラストレーター・つじうち美希は作品のイラストをコタローに手ひどく批判されていた。美希は松本を刺したことは認めたが、動機については口をつぐんでいる。「今は言いたくありません」。何か裏があると確信した刑事の麻生は、美希の事務所の共同経営者である藤田雪が精神科医院に入院しているのに目を向けた。そして、美希が既にトリガーを引き、裁判で動機を語ることで松本の心臓を射抜くつもりだと気づく。(「理由」)
大崎梢ら11人の作家が、同じテーマで書き上げた短編を集めたアンソロジー。(文藝春秋 1600円+税)